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発達障害、中でも自閉症スペクトラムに属する障害は、近年増えているとよく言われますが、実際のところどうなのでしょうか?

どうやら、自閉症が増えていると言うよりも、むしろ今までは見過ごされ支援を受けられなかったアスペルガー症候群のような軽度自閉症の困り感が、少しずつ世間に認知され支援を受けられるようになったことで、自閉症が増えている印象を与えているようです。



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アスペルガー症候群、その症状と特徴とは


自閉症スペクトラムの症状の特徴は「社会性の特異」「言語コミュニケーションの困難」「想像力の欠如」にあります。

社会性の特異


人との関わり方が変わっています。

ひとり孤独を好むタイプの子供もいるし、知人や身内や知らない人の区別なく、誰にでも積極的に話しかけていく距離無しタイプもいます。

人との距離感に問題があるのが特徴のようです。

言語コミュニケーションの困難


3つの特徴を持つ自閉症スペクトラムのうち、言葉に遅れがあるのが自閉症、言葉は他の子供と変わりなくあるのがアスペルガー症候群です。

自閉症の子供は言葉の発達自体が遅れ、言葉がたどたどしかったり、全くなかったりします。

アスペルガー症候群は言葉自体は遅れることなく発語するのですが、コミュニケーションの手段として使うのは苦手で、一方的にしゃべったり、比喩などが理解できず言葉通りに受け取ったりするので、他人との言葉のキャッチボールが成り立ちにくいという特徴があります。

想像力の欠如


相手の気持ちを汲むという事が非常に難しい症状です。

これは思いやりがないという意味ではなく、想像ができない障害と言うことです。

心理学では有名な「サリーとアン」もしくは「心の理論」というアスペルガー症候群の特徴が表れた興味深いものがあります。

これは、サリーとアンというふたりの子どものやりとりから、隠されたものがどこにあるのか当てるという実験です。

サリーとアン課題
・サリーとアンが、部屋で一緒に遊んでいる。
・サリーはボールを、かごの中に入れて部屋を出て行く。
・サリーがいない間に、アンがボールを別の箱の中に移す。
・サリーが部屋に戻ってくる。
上記の場面を被験者に示し、「サリーはボールを取り出そうと、最初にどこを探すか?」と被験者に質問する。 正解は「かごの中」だが、心の理論の発達が遅れている場合は、「箱」と答える。(Wikipedia「心の理論」から引用)


健常の子供達は4歳を過ぎる頃にはこの心の理論が育ち、ほぼ全員が何の躊躇もなく正解を言い当てますが(かごの中)、同年齢の自閉症スペクトラム(実験内容を理解できる子対象なので軽度の自閉症-アスペルガー症候群の子などが対象)の子供はかなりの高確率で外す(箱)と言う結果が出ています。

この実験から、アスペルガー症候群の人は、思いやりがないとか優しさが足りないのではなく、アンやサリーの行動とは関係なく、相手の視点に立つという考え方が育たず、常に自分の視点でしか物事を判断できないという症状の障害なのだとわかりますね。

アスペルガー症候群の原因と診断


自閉症スペクトラムの原因


アスペルガー症候群を含む自閉症スペクトラムは脳の器質的障害ですが、原因はまだはっきりとは解明されていません。

育児説、金属説、アレルギー説、骨格説、予防接種説etc

これらの原因説のほとんどは、完全に否定されているか、研究を通しても因果関係を証明することができていません。

ただ、一卵性双生児の片方が自閉症でもう片方も自閉症の確率は、普通の兄弟間の確率より大変高いことは分かっています。

しかし、確率は100%ではなく、一卵性双生児の間でも、発症する子供と発症しない子供に分かれることもあります。

これはどういうことかというと、自閉症スペクトラムの原因には遺伝的要素が含まれるが、それだけが原因ではないということです。

現在の遺伝子解析の研究では自閉症の関連遺伝子と思われる遺伝子は神経系に広く散らばっていて、1つの原因遺伝子を特定することはできないそうです。

自閉症スペクトラムの原因は1つなのではなく、複合的に絡み合ったものなのかも知れませんね。

例えば、目の見えない人は生まれつきだったり、病気で失明したり、事故が原因だったりします。

足が不自由な人も、耳が不自由な人も、手が不自由な人も同じようにさまざまな原因があります。

自閉症スペクトラムの人も同じように、脳にちょっとだけ傷あって、でもその傷がどうやってついたのかはいろいろ原因があって分からないと考えた方がいいのかも知れません。

アスペルガー症候群と診断されるタイミング


アスペルガー症候群は自閉症スペクトラムの1つで、他の発達障害と同じく、早期発見・早期療育がとても有効な障害です。

発達障害は、発達が途中で阻害される障害なので、少しでも早く気づいて、阻害されている部分を療育で補いながら身につけていくことが、その後の成長にも大きく関わってきます。

発達障害は多くの場合、乳幼児健診で初めて指摘を受けます。

ところが、アスペルガー症候群は知的に問題がない場合が多く、症状が目立たずに言葉もあるので発見を見過ごされがちです。

保護者が何かしらの違和感に気づきながらも、なかなか療育に結びつかず学齢期を迎えることも多く、集団生活を迎える頃から、周りといろいろなトラブルに発展します。

大きくなるほどにトラブルも大きくなり、解決には大きな犠牲と労力を要します。

このような教育現場での声もあり、昨今は学校の発達障害支援に政府が力を入れており、地域によっての差はありますが、乳幼児健診でも疑わしければ少しでも早く相談・検査などの道筋ができている地域が多いようです。

アスペルガー症候群の症状と支援


アスペルガー症候群の症状と支援・・・小学校低学年まで


アスペルガー症候群と診断されると、まずは、少しでも早くその子が生きやすい手立てを教えてあげなければいけません。

全国には発達障害支援センターというところがどの地域にもあります。

まずはこちらに相談することから始めるといいでしょう。

小児科などで紹介状を書いてもらえることもあるし、児童相談所を通したり、直接電話で予約を取ることもできると思います。

療育がスタートすれば、TEACCH、ABA、OT、ST、視覚支援、構造化、などといった療育を受ける事になります。

アスペルガー症候群や自閉症の子供は、多くの刺激から必要な情報を抜き出すのが非常に苦手で、耳から聞こえる情報より目から見える情報の方が良く通る特徴があります。

また、先の見通しができることに非常に安心し、落ち着いた生活を送ることができます。

スケジュール表を使ったり、指示を目で見える形で学習すると、生活がとても楽になるようです。

このような特徴とそれを活かした生活方法を保護者も知り、家庭内でも日常的なスキルを身につけることができます。

また、本人も自分の特質、障害特性を意識することで、周りの人とのトラブルも回避することができます。


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アスペルガー症候群の症状と支援 小学校高学年から思春期前まで


アスペルガー症候群は知的には問題がないため、小学校低学年の間は暮らしに困ることは比較的に少ないですが、高学年にさしかかるあたりからいろいろな問題を抱えます。

見過ごされて診断に至っていないアスペルガー症候群の子は、この問題が生じた当たりからようやく相談・療育に結びつくことになります。

大きな問題の1つは自分と他の子供との違いに気づくことです。

同じ自閉症スペクトラムの障害でも、知的に大きな遅れのある自閉症の子にはない深刻な問題です。

自分と周りの子供の違いに気づいた子供には、障害告知の準備が必要です。

自尊感情を損なわないように、アスペルガー症候群の特徴を個性として捉えながら上手に話しましょう。

自分の障害を知っている場合でも、トラブルがあるようなら、何度でも説明したほうがいいでしょう。

小学校高学年の頃には周りの子供達もそれぞれが自分の問題を抱えますから、誰もが仲良く一緒に遊んでいた低学年の頃とは環境的にも様子が変わります。

この思春期前までの時期に、理解をしてくれる仲間や相談相手を持つこと、モデルとなる同性の大人の存在が、アスペルガー症候群の子供には、その後の思春期にとても重要になります。

逆に、周りに理解してくれる大人・仲間・憧れて理想とできる同性の大人がいれば、例えいろんなトラブルを抱えても、うまく乗り切って大人へとステップを進めることができると言うことです。

これは、もしかしたらアスペルガー症候群という障がいがあってもなくても、思春期の子供達全員に大切なことなのかも知れませんね。

アスペルガー症候群の症状と支援 中学生・高校生・思春期


中・高校生ごろの思春期に、劣等感による不登校や摂食障害などの症状を起こしやすいのもアスペルガー症候群の特徴です。

本人の得意なこと・好きなこと等を意識し、自尊感情を高めて補っていきましょう。

また、周囲の大人が常識にとらわれない価値観を持ち、本人を一方的に否定しない接し方を心がけることも大切です。

普通の高校生なら年齢的に常識と思われることも、意外に意識して教えていないと学んでいないこともあります。

異性間のエチケットなどは、犯罪に巻き込まれることもありますので(加害者よりも被害者になりやすい)、周りの大人が意識してきちんと教えるべきことの1つです。

まとめ


アスペルガー症候群は見過ごされると社会不適応や二次障害などを起こしやすく、その結果、精神疾患などを患うこともあります。

早期に適切な支援を受けると、障害の症状も軽減できるし、二次障害も減ります。

社会への適応がうまくできれば、自立に繋がります。

また、知的障害が伴わないアスペルガー症候群は、他の自閉症スペクトラムより支援の狭間に陥りやすく、何の福祉サービスも受けられないこともあります。

小さいうちからの相談・療育はもちろん、良き理解者と仲間作りを促すように、周囲の大人は環境作りに力を入れることをお勧めします。



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